親がやりがちな「物で釣る」という子育て方法が、子供をダメにする|子供が言うこと聞かない時はどうする?

目の前にぶら下げられたニンジンを食べようとする馬

この記事には広告を含む場合があります。

記事内で紹介する商品を購入することで、当サイトに売り上げの一部が還元されることがあります。

僕は水族館の飼育係をしている。イルカにジャンプを教えたり、アシカにバイバイを教えるのも仕事のひとつ。

それとまっったく同じ方法をつかって、子供を教育している。

対「動物」となると、ある程度自信があるんですけど、対「子供(ヒト)」となると話はだいぶ違ってくる。(だって言葉が通じますもん)

言葉が通じる分、楽な時もあるし、そうじゃないときもある。どんな教育方法が正しいのだろうか?と、毎日試行錯誤しながら悪戦苦闘している。

しかしその中で、教育上やってはいけない方法というものがあると思っている。いまのところ僕はそれを、動物にも、子供にも使わない(ようにしている)。

今日はその一つを紹介したい。

その方法とは、子供(動物)を「物(えさ)で釣る」ということです。

レストランやスーパーなどで駄々をこねている子供とその親を見ているといつも思う。

物で釣っても子供は絶対よくならないよ、と。

物で釣るとは?(動物編)

イルカにジャンプを教える場合、どうやって教えていると思いますか?

だいたいの人がこんなのを想像するのではないかな?

f:id:kosodateiruka:20160219080153j:plain

飼育係が餌をもって、高いところにぶら下げておく。

これがまさに「物で釣る」状態です。

僕は、この方法は使わない。

確かに4~50年前はどこの水族館でもやっていたのだろう。でも今は違う。

水族館のイルカショーを思い出してほしい。

イルカがジャンプする先に、サバやアジがぶら下がっているのを見たことがあるだろうか? 必ずと言っていいほどボールやブイがついていますよね? あの有名な動物園を除いては……。

物で釣るとは?(ヒト編)

子育てをしたことがある人でも、そうでない人も、子供にこんな言葉を言ったことはないだろうか?

「これができたら、お菓子あげるよ」とか、「頑張ったらオモチャ買ってあげる」とか。

そう、これこそまさに「物で釣る」状態です。

物でつるとは?
  • 泣き叫ぶ子に「泣き止んだら、抱っこしてあげる」
  • 宿題しない子に「宿題やったらゲームしていいよ」

この方法を使っている親御さんって本当に多いと思うのですが、実はこれ、絶対やってはいけない教育方法なんですよね。

なぜ「物で釣る」のはいけないの?

僕はイルカや娘を、行動分析学というものを用いて教育しています。

ざ~っくり言ってしまうと、イルカも子供も褒めて、褒めて褒めちぎって育てています。

その褒める手段として、ご褒美を使います。ご褒美はイルカで言うと、餌だったり、体を触ることになります。人間でいうと、お菓子をあげたり、抱っこしたり、ゲームやおもちゃで遊ばせるということになります。

物を出すタイミングが重要

ご褒美は、出す(子供に与える)タイミングがとても重要なんです。

このタイミングを間違ってしまうと、イルカも子供も、間違ったことを教育されてしままいます。

ご褒美を出すタイミングは、必ず良い行動の直後でなければなりません。

良い行動とは、イルカや子供にしてほしい行動です。ジャンプしたり、泣き止んだり、宿題をするということです。

ご褒美が、ジャンプした直後や宿題した直後に出されれば、それらの行動は繰り返されるようになります。逆に言うと、ご褒美が出される直前の行動が繰り返されるということになります。

物で釣る状態はどうなっている?

餌が目の前にぶら下げられるということは、どういうことでしょうか?

これは、まだイルカがジャンプしていないのにも関わらず、ご褒美が先に出されることになります。

と、言うことは、ご褒美の直前の行動が繰り返されるため、ジャンプしていない行動にご褒美をあげる、ということになります。

人間の場合は、まだ泣き止んでいない、宿題をしていないのに、ご褒美をあげていることになります。

じつは「抱っこしてあげる」とか「何かを買ってあげる」と宣言することは、本人にご褒美を出していなくても、それだけでご褒美をあげたのと同じ状態になってしまうのです。

つまり子供はご褒美をまだ手にしていない状態でも、ご褒美を受け取ったと感じるのです。

子供が言うことを聞かないときに、ご褒美を目の前にチラつかせることは、子供からみたら直前の行動が褒められたと感じているのです。

物で釣ると子供はどうなるのか?

ご褒美の直前の行動が繰り返されますので、泣き叫ぶ子に「泣き止んだら、お菓子あげるよ」と言うと、泣き叫ぶことが繰り返されてしまうだけです。

このとき子供の考えていることは、

  1. 泣け続ければ、お菓子がもらえるようになる
  2. お菓子がほしけりゃ、泣けばいい
  3. ゲームができる約束を取り付けるまでは、宿題をしない

一見すると子供が泣き止んだり、宿題するようになるので、教育ができているように見えるのですが、実際は、子供はご褒美が出されるまで何もしなくなるようになっているのです。そしてご褒美が出て、はじめて行動をするようになってしまうのです。

そんなお子さんいないですか?お菓子をあげればおとなしくなるけど、あげなければ異常なほど泣き叫ぶ子供。

ご褒美をあげるタイミングがまちがっているので、こうなっちゃうんですね。

子供が言うことを聞かない時は、どうすればいいのか?

とても簡単です。

泣き叫ぶ子供や宿題しない子どもには、その時点でご褒美をあげなければいいのです。さらに、ご褒美があるかないか、わざわざ伝える必要はないのです。

そして、もし子供が泣き止んだらその直後すぐに、ご褒美をあげればいいだけなのです。宿題をやったらその直後に、ゲームをさせてあげればいいのです。それだけでいいのです。

そしてご褒美には、こんな法則もあります。

「なにが出されるかわからないほうが、より行動が繰り返す」

というものです。

だから、わざわざ事前にご褒美の内容を伝えるということは、とてももったいないことなんです。

まとめ:イヤイヤ期の子供を物で釣ってはいけない

イルカも子供も、餌で釣ってはいけません。良い行動の直後に、褒めてあげればいいのです。

特に、すぐ駄々をこねるお子さんや、宿題をやらないお子さんをお持ちの親御さんは、今一度ご褒美をだすタイミングを見直してみてはいかがでしょうか?

関連記事【おすすめ】子供用おしゃれなステンレス水筒5選!洗いやすい2way(コップと直飲み)タイプが人気【キッズボトル】

関連記事保育園で娘(3歳)を殴ってくる暴力的な子供を公開処刑してしまった話|乱暴な問題児は誰のせい?対応はどうする?

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)