子どもが何かを学ぼうとしているときに、どれぐらいの時間を待つことができますか。
例えば、子供がスプーンを使って何かを食べようとしているとき、滑り台が怖くて躊躇しているとき、「お風呂入るよ」と声をかけたのに、いつまでもおもちゃで遊びつづけているとき…。
ついつい子供の自主性を遮って、親が先に手を出してしまうことありませんか?
そこで今回は私なりに「待つ」ことの重要性について考えてみました。
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なぜ「待つ」ことは教育に重要なのか?
僕は、水族館で調教師として働いています。
イルカやアシカに何かを教える時、「待つ」ことは非常に重要であると考えています。
「待つ」ことでその子の能力を最大限引き出せるからです。
例えば、イルカにジャンプを教えるとき、トレーナーはひたすら待ちます。待ってさえいればイルカは勝手にジャンプしてくれます。それを褒めてあげればジャンプすることを覚えてくれるのです。
バイバイ(胸ビレを振る)を教えたければ、ただひたすら待つ。待っていれば勝手に胸ビレを振る。トレーナーはただそれを褒めるだけ。イルカのトレーニングはこれの繰り返しです。
「待つ」ことができないトレーナーに育てられたイルカは、トレーナーが教えてくれるまで何もしないイルカに育ちます。
「何もしない」=「何も考えない」と言ってもいいです。その結果、すごく短気なイルカに育ちます。すぐに「どうすればいいの?」「わかんないよ~」と、考えることをすぐにあきらめてしまう、そんなイルカになるのです。
しかし、「待つ」ことのできるトレーナーに育てられたイルカは、いつも「何をすればトレーナーは褒めてくれるのだろう?」と自分で考えるようになるんです。
トレーナーがなにも教えなくても、イルカが自ら考え、学ぼうとする!そんなイルカに育てば、僕たちもとっても楽ちん。
プールサイドに座って待ってるだけでいい。イルカが手を振ってみたり、回転してみたり、ジャンプしてみたりしてくれるようになります。
時には人間が想像もできないような面白い行動を見せてくれます。あとは、それを褒めてあげればいいだけ。簡単にいろんなことを覚えることができるんです。
子育てで「待つ」とはどういうことなのか?
「待つ」とは言い換えれば「ヒントが少ない」ということだと思います。
僕は、子どもにすぐヒントを出してしまう。口でやり方を教え、手とり足とりやってるふりをさせ、自分が替わりになって答えを見せてしまう。これでは子供が学ぶことは、父ちゃんが答えを教えるまで待つことだけである。
イルカよりはるかに賢い人間の子どもだ。考えれば必ず答えを見つけ出す。親は子どもを信頼し待っていればよいと思うわけです。
勘違いしてほしくないのは「待つ」=「放任」ではないということです。手も口も出さないが、必ず子どもを観察しておかなければなりません。今は、何ができるようになっていて、何ができていないのか、それを把握するために観察をしなければならないのです。
そして、子どもが本当に困っって助けを求めてきたら適度な手を差し伸べてあげればいい。
失敗を繰り返すようであれば応援し励ましてあげなければならない。そしてうまくいくその瞬間に、褒めてあげれるよう準備しておく必要があるんです。
最後に
親は「待つ」ことができても、世の中が待ってくれない場合があります。保育園の送迎バスや友達との待ち合わせ、お腹の減り具合はなかなか待ってくれないですよね。
待つことって本当に大変なのは重々わかります。
僕も待つことは非常に苦手。忙しいときは本当にイライラしてしまう。だから、親も待つことを楽しまなければ続きません。僕はいま、待たされている時間は子どもが成長している時間だと心で言い聞かせ、イライラを落ち着かせるようにしています。
どうしてもイライラを抑えれないとき、そんな時のためにナイスな動画を見つけました。お母さんカバが子どもの挑戦を温かく見守りながら待っている動画です。
僕はこのカバから子育てにおける重要なことを学ばせてもらいました。
この記事の主旨じゃないかもだけど、イルカって、褒められたり、拍手してもらうの、嬉しいんですね!!
そのことが知れてよかったです(^^)
明日、イルカのいる水族館に遊びに行く予定です。いっぱい拍手してきます!
まんまるさん
イルカも喜びます。是非水槽の前で色々やってみてください。動き方が面白かったらイルカもいっぱい反応してくれると思いますよ。くれぐれも水をかけられないように!