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子育てイルカが笛を吹く

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2週間でアトピー性皮膚炎が改善!大阪の『アトピーカレッジ』なる教育入院プログラムで治療してきた話

子育て 子育て-病気

アトピー性皮膚炎でお困りの方って多いですよね。

先日、アトピー性皮膚炎に悩まされていた職場の先輩が、有給を2週間とって病院へ入院し、アトピーの治療をしてきた話です。

退院して戻ってきた先輩の皮膚状態は改善され、見た目ではほとんどわからないほど劇的に変化していました。正直僕はかなり驚きました。

先輩が入院して治療してきた経過がアトピーで悩んでいる多くの人に役立つんじゃないかと思い(いや、絶対にある!かなり多くの方が入院していたし)、お見舞いがてら見学したことや、先輩から聞いたこと、その病院の治療方法や入院生活などを紹介したいと思います。

アトピー性皮膚炎の先輩

僕の同じ職場(水族館)の先輩で、アラフォー既婚男です。奥さんとお子さん一人の3人で生活をしています。生まれたときからアトピー性皮膚炎で、小さなころから壮絶な痒みと付き合ってきたそうです。

動物が好きで、どうしても動物と関わる仕事がしたいと、何を血迷ったか地元の農業高校の家畜科に入学。荒療治的に、常にアレルゲン(アレルギーの原因となる抗原物質)と一緒に生活していれば多少は治ると思っていたそうです。しかしそんなはずもなく、ウシやニワトリ、小動物などの世話でくしゃみが止まらなかったり、皮膚症状が悪化したり、時には呼吸困難で死にそうになりながらの高校生活を過ごしたそうです。

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それでも先輩は動物が好きだったために、毛が飛沫しない動物としてイルカを選び水族館で働き始めました。

しかし、イルカからのアレルギーはないものの、エサで使う魚の脂や海水、季節の変わり目などで、皮膚状態が悪化し痒みに悩まされる毎日でした。

それでもうまくケアーしながらアトピーと付き合ってきた先輩ですが、今年の冬に子供が産まれたことによって、生活習慣に大きな変化があり、いつも以上に皮膚の状態はよくありませんでした。一度その歯車が狂うと、四六時中掻きむしることが増え、皮膚状態が悪化、薬(ステロイド)を使ってはまた悪化の繰り返しで、日に日に見た目も悪くなっていきました。

そして、痒くて眠れない日が続き、体調の悪化があったため、大阪の病院で外来診療を受けました。その病院でアトピー性皮膚炎専門の先生に言われたのは、

「2週間入院してください。そうすれば、普通の人と同じレベルの皮膚状態に治します」

とのことだったので、一度自宅に戻り家族と相談し、入院することを決めました。

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入院したアトピー専門の病院

入院したのは大阪府羽曳野(はびきの)市にある「大阪府立呼吸器・アレルギー医療センター」です。

www.ra.opho.jp

 この病院には、様々なアレルギー対する治療や診断が行われており、その一つにアトピーなどのアレルギー性皮膚炎の治療を行う専門の科があります。

先輩はこのアトピー・アレルギーセンターが行う「アトピーカレッジ」と呼ばれる2週間の教育入院プログラムに参加しました。

アトピーカレッジとは?

成人(高校生以上)を対象にした2週間の教育入院プログラムです。このほかに乳幼児のアトピー患者を対象にした「乳幼児アトピー教室」や小中学生を対象にした「アトピーサマースクール」があります。

目的 入院治療によりアトピー症状を早期に改善させます。治療と並行して病気について正しく理解していただくための教育、支援をおこない、再発を防ぎ、長期的に良い状態ですごしていただくための指導をしています。
内容 医師、薬剤師、看護師、栄養士、臨床心理士がそれぞれ担当の曜日ごとに、アトピー性皮膚炎をうまくコントロールするために、必要な知識、方法などについて講義、指導、支援します。
日時 2週間サイクルで随時開催しています。重症の症状で緊急に入院される方には、随時参加していただいています。予定入院の場合は、プログラムの内容を、最も理解しやすくするため、サイクル開始週の、木曜日入院をお勧めします。
参加資格 当科の外来受診患者様を対象としています。教室参加を主目的とした他の医療機関からの紹介も歓迎しますが、入院申し込み手続き等のため、まず当科初診外来を受診することが必要です。

引用:大阪府立呼吸器・アレルギー医療センターHP

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アトピーカレッジの主な内容

入院前の外来受診

アトピーカレッジへの入院は、まずこの病院での外来受診が必要になります。外来受診をするためには紹介状も必要となります。大阪に住んでいない先輩は、最寄りの皮膚科で診察を受け、この病院に行きたい旨を伝え紹介状を書いてもらいました。そして休みをとって大阪に行き、外来受診をしています。そこでアトピーカレッジを勧められたため後日有給をとって入院しました。それでは、入院中に行われることをまとめてみます。

アレルゲン検査

入院初日に血液検査で何に対してアレルギーがあるかを調べます。アトピーと長く付き合ってきた方は自分のアレルゲンが何であるかを誤って認識していることがあります。それは、アレルゲンは日に日に増えていくことがあるからです。急に今年から花粉症になったって人いますよね。それをもう一度徹底的に調べます。先輩のデータがこちらです。先輩もサケやアジは昔はアレルゲンとは知らなったそうです。

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特にダニの数値が高くなっているのがわかると思います。

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TARC検査

「タルク」や「ターク」と呼ぶそうですが、これがアトピー性皮膚炎の治療に最も重要となってくる検査です。血液から調べることができます。これでアトピー性皮膚炎の重症度を検査することができます。

今まで多くの皮膚科が行ってきたアトピーの検査は、アレルギーの原因(アレルゲン)を調べることはできましたが、患者の皮膚の状態や体内で起きている炎症状態を知ることはできませんでした。この炎症状態を数値で知ることにより、治療の効果を正確に知ることができるのです。治療の効果がではじめ皮膚状態が改善されると数値はさがります。

こちらの画像が先輩の検査結果です。TARCの数値に注目してください。

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これは最初に検査した外来受診のときのTARCの値です。その日のTARCの数値は6891pg/mlと正常値(0~450pg/mL)を遥かに超えた値となっています。

退院する日のTARCの数値を見てみましょう。

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正常値範囲の100pg/mlまで下がっているのがわかります。

アトピー性皮膚炎の治療はほとんどの病院でステロイド軟こうを使います。もちろんこの病院での治療方法も主に活躍するのはステロイド軟こうです。

しかし今までの治療と徹底的に違うのは、目で見える皮膚の状態だけで、治療が進んでいることを判断をしないことです。体で起きる炎症が皮膚に現れているのはごく一部の炎症であって、皮膚状態が改善されたからと言って、体内の炎症全てが収まったわけではないのです。

アトピーの炎症は、見た目だけでは判断できないことがこのTARCによって証明されたのです。このTARCの値を見ながら、体内で起きている炎症を確実にとらえ、ステロイド軟こうの量(塗布する回数)を決めていくのです。

TARC検査のメリット
  • 治療が効果をあげているか確認できます。
  • 皮ふの状態が数値で知れるため、治療の目標を持てる。
  • 見た目の皮膚状態がよくても、TARCが高値を示すときには炎症が残っていることがわかります。
  • 定期的に検査(月一回は保険適用)を行うことで、適切な治療法を選ぶことができます。

退院後も月に一度は近所の病院でTARCを検査してもらいます。その結果を見ながら軟こうの量を指示してもらいます。

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治療

治療はステロイド軟こうを使用し皮膚の状態を改善していきます。ステロイドと聞くと使用を懸念する方がいますが、ステロイド軟こうは飲み薬のステロイドと違って全身的副作用はほとんどありません。(このあたりについても入院期間中に専門医がレクチャーをしてくれます。)

アトピーの方は一度はステロイドを塗ったことがあると思いますが、どれくらい塗りましたか?

先輩は入院初日から1日2回の塗布を命じられました。その範囲はなんと、全身です。皮膚状態が悪いところはもちろん、指の間や頭皮まで(股間は吸収率が高いため塗らない)はすべてです。見た目の症状だけ見ると、肘裏やひざ裏、首などだけ荒れているようにみえますが、TARCの値から見ると全身の塗布が必要だったようです。よくあるチューブに入った軟こうを一回だけで3本も使用したそうです。

最初の数日は看護師がやり方を指導しながら塗布してくれますが、退院までに自分で塗れるように練習します。

アトピー性皮膚炎のもっとも有効な治療は、まずは皮膚状態を改善し体にバリアを作ることです。バリアがなければいつまでも痒みは続き、それによって掻き毟り、さらにバリアをはがしてしまうのです。

アトピーに関する講義を受講 

 アトピーカレッジでは、医師、薬剤師、看護師、栄養士、臨床心理士などからアトピー性皮膚炎をうまくコントロールするために、必要な知識、方法などについて講義、指導、支援を受けることができます。一回の講義は1~2時間です。講義は以下の内容になります。

  • アトピーはなぜ起こるのか?
  • アレルギーの薬(ステロイド軟こう)について
  • アレルギーに良い食事
  • 外用薬の塗り方について(退院後の生活について)
  • アトピーの治療について

ストレスマネジメント

近年ストレスとアトピー性皮膚炎の関係性を指摘する研究報告が多くあるそうです。アトピー性皮膚炎の治療として有効なのは、ステロイド軟こうなどによる薬物療法と、生活の中から悪化要因を減らすことです。悪化要因にアレルゲンとなる食べ物や花粉、ダニなどがあります。そしてストレスも皮膚状態を悪化させる要因になっているのです。

入院期間中に2回ほど心理療法士よりストレスマネジメントの講義があります。ストレスとアトピーの関係性から始まり、自分のタイプの診断、タイプ別に合わせた対処法などを学ぶことができます。ちなみに先輩は診断する項目全て(心身症状、脅迫症状、対人関係過敏症状、不安症状、抑うつ症状)において、平均点より低い数字となっていました。

1日の生活スケジュール

入院期間中はほぼ自由に生活することができます。といっても最低限の入院生活は守らなければなりません。朝は7時に起き、朝食。朝食後軟こうの塗布、その後入浴や講義を受けます。昼食、夕食後軟こうの塗布。9時消灯となります。

講義がない日は外出もほぼ自由にできます。僕がお見舞いに行った日は、二人で難波にでかけ観光したり、たこ焼きを食べたりもしました。

入院費用

さて心配になるのが入院にかかる費用だと思いますが、治療費や薬代は保険が適用されます。また高額非医療制度も使えますので、4人部屋を選択した先輩の場合は2週間で70,920円の支払いでした。皮膚状態が悪いと、検査の回数や軟こうの量が増えるので料金は変わる可能性はありますが、どちらにせよ高額医療費制度を使うことで費用は抑えることができます。(月またぎで入院すると倍の費用が必要です。)また入院部屋を個室などを選んだ場合は別途料金がかかります。もちろん、交通費などは別途かかります。

まとめ

  • アトピー性皮膚炎でお悩みの方には大阪府立呼吸器・アレルギー医療センターはおすすめの病院です。
  • 入院前に外来診療を受けなければ、入院はできません。
  • 年齢に合わせた入院プラン(幼児、小中学生、大人)を選びましょう。
  • 2週間で皮膚状態をもとに戻し、アトピーに対抗できる体(皮膚状態)を作りましょう。
  • 退院後は、TARCを月に一回検査し、経過状態をみながら薬の量を決めましょう。
  • 保険適用で高額医療費制度が使える。

紹介したアトピーカレッジは2週間で劇的にアトピー性皮膚炎を治療してくれると思います。またそれだけでなく、アトピーに関する正しい知識(ステロイドやストレス対処まで)を学ぶ良い機会を提供してくれる教育プログラムでもあると思います。2週間の休みを取得することは、会社員としては難しいことかもしれませんが、アトピーの治療で毎日悩んでいることや時間を費やしていることを考える人生の時間から考えると、すごく短いものだと思います。

その後の先輩

入院から2ヵ月ほど経ちました。月に一度かかりつけの皮膚科でTARCを計り、その結果で軟こうの塗布回数を決めています。入院後からTARCの正常範囲である450pg/mLをキープし、軟こうの塗布は4日に1度となっています。副作用としては少しニキビが増えるそうですが、それはスキンケアしながら対処できているそうです。見た目は本当に奇麗です(僕以上に)。

病院でも言われたそうですが、アトピーのケアは歯磨きと一緒な感覚でこれからは付き合っていくそうです。

奇麗な皮膚状態であれば、痒みはなく普段の生活も通常通り行えるアトピーですが、皮膚状態が悪いと、痒さ、ストレス、新たなアレルゲンの増加などで、悪循環に陥ります。まずは皮膚状態を完治させ、通常の生活に戻り、それからうまく付き合っていくことが良いのではないでしょうか。

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