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子育てイルカが笛を吹く

水族館飼育員が子育てのコト、動物のコト、おすすめ水族館・動物園のコトを書いています

【読書感想】水族館ガール/本宮条太郎 イルカもオス同士で交尾するよ

動物園・水族館 動物園・水族館-水族館の仕事

 

水族館ガール (実業之日本社文庫)

水族館ガール (実業之日本社文庫)

 

 内容紹介

市役所に努めるOLの嶋由香が、突然の出向で、市が運営管理する水族館「アクアパーク」で働くことになる。

配属先は、イルカショーをする「イルカ課」

そこで3頭の大人のバンドウイルカと1頭のやんちゃな子供イルカ。そして彼らを担当する武骨な男・梶良平と出会う。

イルカの飼育に悪戦苦闘する毎日。挑戦しては失敗し、立ちあがっては挫折する。そんな新人飼育員の奮闘を描くお仕事小説。

また、梶との恋愛模様も描かれています。

 

感想

率直な感想は、書いた人は水族館で働いてたのかなってくらい水族館のコトに詳しいですよね。おそらくかなり長い時間をかけて取材されたんでしょう。一般の方がちょっとやそっと取材しただけでは知ることのない飼育者の会議に関しても触れられていたことにはびっくりです。

その取材力のすごさによって、飼育員がこだわりをもって動物と接している部分や、イルカが死んだときの心情など、非常によく捉えられていると感じました。

水族館をテーマパークにするか、博物館にするかというテーマで、水族館の存在意義や来場者に対する葛藤などを細かく書き、「水族館とは何か」を読者にも考えさせるように仕向けた内容となっている部分は非常におもしろかった。

水族館の仕事が鮮明に描かれているので、今まで知ることのなかった水族館の裏舞台を知ることができ、読めば水族館のあたらしい楽しみ方が増える事は間違いないでしょう。

イルカがオス同士の交尾行動を行うことは有名だが、噴気孔(頭の上の息する穴)をつかっておこなうことは僕も知らなかった。本当に勉強になりました。

登場する由香や梶のセリフが、僕の肝にもグサッと刺さる場面も多くあり、水族館で働く人が読んでも楽しめる内容だと思います。

モデルとなった水族館

おそらくというか、絶対「神戸市立須磨水族園」であることは間違いない。イルカショーをライブと呼び、イルカの名前にC1(シーワン)やF3(エフスリー)と名付けていることでもわかる。また本書に登場する子イルカの名前が「ニッコリー」と名づけられて登場しているが、須磨水族園で2000年に産まれた個体が「スマイル」だった。その事を考えるとモデルとなった水族館は須磨で間違いないだろう。

そのスマイルが1~2歳で描かれているとしたら、2001年ごろの水族園の話になる。登場してくる人物にもおそらくこの人だろうと心当たりがある。

しかしながら、残念なことにスマイルは2006年に死亡している。また水族園自体も、当時は神戸市が運営していたが、今は指定管理となり愛知県南知多ビーチランドの経営もする名鉄が行っている。そのため、その当時のスタッフはほとんどいないし、こだわっていたイルカの名称も記号ではなく一般的な名前がついている。

2もあるし、ドラマ化もされる

水族館ガール2 (実業之日本社文庫)

水族館ガール2 (実業之日本社文庫)

 

 

僕はまだ読んでいませんが、水族館ガール2もあるようですね。

また6月からはNHKでドラマ化も決まっているようです。噴気孔で疑似交尾する姿をぜひ再現してもらいたいなと思います。ロケ地は東京のしながわ水族館で行っているそうですよ。動物相手の撮影は大変だと思いますが、実写化楽しみですね。

ドラマ10「水族館ガール」

【放送予定】6月17日(金)放送スタート

毎週金曜[NHK総合](全7回)
第1回〜第5回 後10:00〜10:49(49分)
第6回・第7回 後10:00〜11:15(74分)

【出演】松岡茉優、桐谷健太、澤部 佑、内田朝陽、足立梨花、

 木下ほうか、西田尚美、戸田恵子、石丸幹二、伊東四朗 ほか

【原作】木宮条太郎「水族館ガール」
【脚本】荒井修子
【音楽】千住 明
【挿入歌】いきものがかり「夢題~遠くへ~」
【制作統括】篠原 圭、黒沢 淳
【プロデューサー】金澤友也
【演出】谷口正晃、山内宗信、東田陽介 ほか

www.nhk.or.jp

 最後に

お仕事小説とは言え、非常に読みやすく、仕事に対する熱い思いは、水族館の仕事だけでなく他の仕事にも通ずる部分が多くあると思います。おそらくドラマでもそんな熱い場面が多く描かれると思います。

この小説やドラマで、一人でも多くの人が水族館に興味を持ってくれるとうれしいですね。